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いけばな随想
diary

意味と意欲 231220

2023/12/20

 庭木の剪定をすると、切り落とした多くの枝が山になる。放置しておくと、枯葉が風に吹かれて散乱する。近所迷惑を防ぐ必要もあり、何年かの月日をかけて、片付け方を少しずつ工夫してきた。
 現在のところは、まず、1回に1本しか剪定しない。片付けながら観察すると、枝ぶりや成長度合いなど、その木の特徴がよくわかる。そして、切り落として2週間くらい地面に放置し、生乾きにする。すると、葉が乾いて離れやすくなるので、それを落として捨てる。次に、枝だけになったものを見て、形の良さそうな部分を切り残し、あとは短く刻んでゴミ袋に入れる。仕上げは、切り残した枝を自然乾燥させて「枯物」花材として使う。彼らは、結構いい仕事をしてくれる。
 このように再利用を前提に剪定すると、ノコギリやハサミを入れる回数が減った。木々の表層を外側からジョキジョキ切り進んでいたのが、いまは、木の中に潜り込み、太い枝にここぞと目星を付けてバサリと切り落とす。
 庭木本体のみならず、切って落とす側にも同等に関心を寄せることで、剪定作業の意味が変わって、意欲も高まるのだ。

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