汀州Japanlogo 汀州Japanlogo

いけばな随想
diary

いけばなの空間 231029

2023/10/30

 額縁入りの絵画であれば、カンバスに集中して仕事ができます。その絵がどこに飾られるかは時々の選択が可能だからです。絵と飾られる空間には、絶対的な相関関係はありません。
 しかし、いけばなは、そうはいきません。与えられた空間が先にあって、そこに花をいけるので、空間といけばなには完全なる因果関係があります。したがって、その空間を綺麗にしておくことが、表現の下地づくりとなります。掃除=ハウスキーピングは、いけばなの創作活動の一部であり、スタートとなります。
 ところが、人間がどんどんマニアックになっていくと、一見汚い廃墟に美しさを感じたり、場末の雑然とした溜り場に愛着を覚えたりするので、必ずしも清潔でシンプルな空間だけがいけばなにふさわしいとは限りません。ほんと、マニアは厄介者ですね。
 さて、人間がさらにマニアックになっていくと、空間の性質などお構いなしになります。そのいけばなの圧倒的な存在感に目がくらみ、もう、その作品しか見えなくなることがあります。その時、いけばなはいけばなを超えて、オブジェとして君臨するのでした。

講師紹介