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いけばな随想
diary

いけばなの空間 231010

2023/10/10

 先日、わが教室の庭が綺麗でないと指摘されました。庭が不様な原因の1つは、無計画に庭木を増やしたことにあります。
 庭師さんならば、庭を1つの全体として捉え、構成要素として草木や石を計画的に配置します。しかも、木々の生長を見越して! その行為は、敷地に大きくいけるいけばなと言っていいくらいです。
 私も屋外の花展で作品を制作するときは、周辺の風景も一体的に捉えて臨みます。おそらく庭園と同じで、背後の山などを借景として意識します。すると、どこまでが作品でどこからが背景なのか、自分でも説明できません。記録を撮ろうとした時の気分次第で、「写真に写り込んでいる範囲が作品です」ということになります。
 ふだんも家や店の空間全体を意識していけばなをしますが、屋内の花展のときは、いけばなを独立・完結した作品としていけることになります。周辺には仲間の作品が所狭しと並んでいるので、作品同士が干渉し合うからです。そんなとき、自分の作品空間はできるだけ小さく設定することになり、見る人にも「もっと近寄って見てください!」と要求しがちなのです。

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