いけばなはチャレンジング 241211
2024/12/12
いけばなには即興的な要素がある。出会った花材次第でどうにでもなりえる。だから、いけばなはジャズに似ている。それでサッカーにも似ている。
それから、アクロバティックなポーズをよしとする点では、サーカスにも似ている。しかし、重力に反する動きを伴わない静止したいけばなは、重力に抗い切れないとき、脆くも地上に崩れ落ちる。
即興・危険姿勢のどちらに着目しても、いけばなはチャレンジングだ。守りの意識では成り立たない。攻める気持ちが必要だ。しかし、攻め切るためにはチャレンジ精神だけではダメで、それを後押しする経験も必要。失敗経験が多いほど、チャレンジは無謀ではなくなり、実現可能性が高まる。
当然ながら、チャレンジには失敗がつきもので、トライ&エラーのエラーが大きいと意気消沈する。もうやめたいと思う。自分には向いていなかったか……と放り出したい気持ちになることもあるだろう。このまま続けていっていいものだろうかと、迷宮に迷い込むこともある。しかし、投げ出したことの多い私にとって、最後の拠り所がいけばなになってしまったというわけだ。