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いけばな随想
diary

いける距離 231018

2023/10/18

 私は海(ともかく水辺が)が大好きで、雅号は汀州です。汀の字は私の先生の雅号から1文字頂きました。私のお弟子さんにも、師範になると汀の字を使った雅号を名乗ってもらい、水辺の領土を広げます。
 夏の海辺でキャンプをすると、真昼の砂浜の浅い所では白い網目の波模様や小魚の群れ。夜、テントから波打際を見ると砕ける小波に煌めく夜光虫。翌朝、コーヒー片手に水平線で溶け合う海と空を見るのも素敵だし、帰りがけに、半島の小道から夕日に染まる雲と海のコントラストを眺めるのも綺麗。海は、あらゆる距離から常に魅力的です。
 さて、いけばなを見る距離は人それぞれですが、屋内作品だと0.5~2m、屋外の大作だと1~10mくらいでしょうか。私は、人に見て欲しい距離を勝手に設定していけています。これが私の「いけばなをいける距離」です。
 しかし、その距離が、記録で残す撮影にふさわしい距離かというと、必ずしもそうでないところに悩みが尽きません。近過ぎると空間全体が見えないし、遠過ぎるとディテール(葉の模様や花の色の陰影など)が見えなくなってしまうのでした。

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