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いけばな随想
diary

ほめ言葉 250126

2025/1/28

 けなされて喜ぶ変態は多くない。多くは、ほめられて喜ぶ。近年はほめて育てることが推奨されて、あまり𠮟ったり注意したりしない方がいいということになっているが、世代的に私はほめられ慣れていないから、のべつまくなしにほめられると逆に不信に感じてしまう。
 他人の批評が気にならない人は、よほどの強心臓である。よい批評でも悪い批評でも、なにもコメントがないより数倍は喜ばしい。しかし、よくよく考えてみると、他人の批評に一喜一憂する必要のないことに気付く。なぜなら、自分は、人とは少し違ういけばなを目指しているから、「ほめられるということは、他人の物差しの範疇から抜け出せていない」と自己否定するへそ曲がりな感性があったはずだからである。逆に否定されると、「他人が良いと感じる土俵から抜け出して、新しい境地に向かっているのかもしれない」と自己肯定する部分もある。
 まあ、へそ曲がりにとっては、どんな批評も毒にも薬にもならないのである。ほめられていれば素直に喜び、けなされていたら、むしろなおさら喜んで自分の道を進むくらいがいいのである。

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