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いけばな随想
diary

より近く! 240213

2024/2/15

花を買うとき、産地を聞くことはあまりない。花は基本的に“裸のばら売り”で、スーパーの食材のような産地表示がない。

私がよくお世話になる花屋さんが言うには、「ハウスもので花木を生産する人がどんどん廃業している」ことや、「一旦、大阪の大きい市場に集まって、そこから再び分散して流通する」ことなどから、地元で直接確実に手に入るものが少なくなってきた。

花は生鮮品だから、まさか遠くから仕入れることはないだろうと思い込んでいたのに、現代の知識や技術に基づく流通はずいぶん先へ進んでいて、一般の花屋さんに並ぶ多くの品は県外産だったり海外産だったりするのである。遠くから運搬する化石燃料や梱包資材などのコストや時間を費やして、そのコスト分を私たちが支払う。

どうせお金を払うなら、少しでも地元の品を買った方がいいという気持ちもあって、産直市にも足を向ける。需給関係によって「いけばな」で使える花材も増えている。よい傾向ではあるが、一般的には花屋さんの方が虫の駆除や水揚げなどの下処理が丁寧だ。

生産者の6次産業化も、消費者も大変なのである。

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