アタマの仕事 240928
2024/9/28
手仕事とアタマの仕事は、連携しつつそれぞれ別々の領域を分担している。
いけばなを制作するとき、まずアタマが仕事を始める。ああでもないこうでもないと、あらゆる可能性を検討して、どんどん可能性を広げる仕事をしてくれる。一定のプランが見えてくると、手仕事でミニチュアを作ったり部分的な習作をして、広がった可能性を試してみる。それをすることで、できることよりもできないことがはっきりする。手仕事は、確実性を担保する仕事なのである。
できないことを切り捨てて、できるだろうと思われることの範囲で、また、あれやこれやをアタマが考える。手を動かしてみて範囲を狭める。そして、またアタマが考える。手が「できない」と言っているのに、アタマは「できるはずだけどなー」と、手に対してノーテンキに要求する。
実際のところ人間は工夫する動物なので、「できない」を「できる」に変えてしまえる能力があるから、せっかく狭めた可能性の範囲がまた広がってしまう。1つ広がるともう1つ広げたくなる。アタマは手に対する思いやりなどなく、いけいけドンドンなのであった。