アドリブ 250326
2025/3/27
様々なスタイルがあって一括りにできないとはいえ、私はジャズが好きだ。スタンダード・ナンバーだと優に80年は演り続けられた曲もあり、同じミュージシャンでも録音した年齢やメンバーや、ライブなのかスタジオ録音なのかによって全く別物のような演奏をしている。
レコードからCDになって収録時間が長くなり、同じ曲の2回目の演奏5回目の演奏など、本来の収録テイク以外の演奏が収録されている場合、好きなミュージシャンの演奏を聞き比べられるのは興味深い。ピアノなりがさっきとは違うアプローチで演奏すると、他のパートの演奏もそれに追随して変化して、ノリが良くなったりぎこちなくなったりする。
いけばなは、ジャズのワークショップのようだ。私と木の枝と花とのトリオ演奏を基本として、枝ものか草ものの種類が増えるごとに、カルテットになったりクインテットになったりして、展覧会の大作になるとビッグバンドの壮観さだ。
そのいつの時でも、花材の“誰か”が予定調和を壊す振る舞いをするために、メンバー全員がそのアドリブに負けないようアドリブで演り返すのである。