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いけばな随想
diary

アートとビジネス 250204

2025/2/4

 思いは溢れても、アーティストに金はない。金は溢れても、ビジネスリーダーには使い方に対する思いがない(足りている人も多いとは思う)。アーティストは思いを実現させるために稼ぐ力を身につけたいと心から願っていて、その稼いだ金を愛すべきことに使いたい。そんなことは誰しも心の底ではわかっているが、実行することに抵抗があるし、やり方もわからないのである。
 かつて「六次産業化」という言葉が産業界に蔓延した。これは、たとえば葡萄農家が自らホームページを開設して顧客を集め、ロゴやパッケージをデザインし、メッセージやカタログを同封し、運送会社と連携して末端消費者の手に直接商品を届けるというものだ。
 要は1人で第一次産業から第三次産業まで(1次×2次×3次=6次)を担って商売をするのであるが、これは相当に難しい。そもそも専門分業化することで生産性を高めてきたのに、それを統合化してさらに生産性を上げるのは理屈として矛盾しているからだ。
 いけばな作家としての追究と、ビジネスマンとしてのマネジメントと、両立させるのがゴールイメージである。

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