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いけばな随想
diary

イメージと技術 250310

2025/3/13

 スポーツであれ企業経営であれ、先行するのはイメージだと思う。成功イメージや達成イメージがあって、それを実現させるために技術や戦略を練り上げる。
 技術に関しては、人々の生活を便利で豊かなものにするため進歩してきた。それは家電や通信機器などの身の回りの物や、AIの実用化や、建設や発電などの社会基盤に関わる設備など本当にあらゆる隅々にまで至る技術の進歩だった。そして私もその恩恵にあずかり、快適な生活を送ってきたのは間違いない。
 ところがこの年齢になって技術の進歩に追い付けず、逆にストレスの方が大きくなってしまった。私を追い越してしまった技術に「早く来い」と言われ、新しく追い迫ってくる技術に「早く行け」と急き立てられて、なすすべのない私は途方に暮れるのだ。快適が約束されていたはずなのに、私にとっての技術は今や不快製造システムになってしまった。特にデジタル化が不快の根源である。
 電池時計もソーラー時計も捨てることはしないが、機械式腕時計は自分の味方のような気分で愛おしいし、いけばなもアナログな作業の代表格だから続けられる。

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