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いけばな随想
diary

イメージと観察 240428

2024/5/7

 いけばなをする時、飾る場所をイメージしなければならない。場所が決まっている場合、そのスペースより大きいいけばなは邪魔なだけだから。
 いけばなをする時、用意した花材すべてと花器とを見渡さなければならない。イメージと花材と花器とが、一体的にコーディネートされるために。
 いけばなをする時、花材の一枝一枝をよく観察しなければいけない。その一枝の一番の魅力を探し出してやるために。
 いけばなをする時、手元の鋏から目を離してはいけない。大事な枝や、もっと大事な指を切ってしまいかねないから。
 いけばなは、思い描くイメージと、材料である花や花器の観察とによって形作られていく。全体を見て、指先を見る繰り返しである。構想が優先しすぎると花材が付いていけないので、花材の細かい観察は重要だ。
 日頃の花材観察が足りていないことが原因で、私のいけばなは構想倒れに終わることが多い。そんな時は謙虚になって花材の性質に合わせたいけばなをすればいいのに、自分の構想に固執してしまって、花材を切り刻んだり折ったりしてどうしようもなくなることがある。悲しい。

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