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いけばな随想
diary

タイミング 231106

2023/11/7

 つぼみが好きです。けれども、満開の花もやはり捨てがたい……。
 いけばなは、時間とともに変化する花材を使うので、固定された状態を表現できません。変化することは、生きている証だと思います。死んでしまったものは変化を止めることになるし、もともと生きていないものは変化の兆しを感じさせません。
 生きた花材を使うときの問題は、どのタイミングでいけて、どのタイミングをお仕舞いとして片付けるかです。店舗にいけさせて頂くときは、たいていつぼみの状態でいけて数日後に花開くように念じ、枯れる前にいけ替えるようにします。予定以上に長持ちしてくれるとホッとしますが、開花が早く萎れるのも早いときは、慌てていけ替えに行かないといけません。
 私の事情をご存じの花屋さんとは、「1週間持つかなあ、どうかなあ」と言いながら花材を選びますが、何より飾らせていただいた店舗の方の水換えのほうが花の寿命を左右します。
 いけ終わった花材を、片付けてから枯らして再び使ったり、はじめから枯らして使うこともあります。
 満開の花も好きですが、枯れたものも捨てがたいのです。

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