ネットワーク 241226
2024/12/27
高度成長期には、ネットワークという言葉を便利に使っていた。人口が増え、仕事の専門分化が進み、会社の業務内容も広がって、営業活動においてネットワークの拡大こそが売上増大の鍵だった。だから、異業種交流会も全盛だった。
ところが、日本の人口が減少するいま、物流・人流や情報の往来がますます広がり高速化すると、対面の「近い人間関係」は薄まる。全体的には、アルコール度数の高いウイスキーを水で割ってマドラーでグルグル掻き混ぜる状態に似ていて、人間関係社会も掻き混ぜられつつ薄まっていく。
実際、産直市で買う花は地元産がほぼ全部だが、花屋で買う花の多くは他県産や外国産になってしまいつつある。私がバラを直接買わせていただいていた生産農家さんは、数年前に廃業してサラリーマンになったし、木酢液や竹酢液をくださっていた方も、山に入ることをやめてしまった。
こうして、私が手に入れたいものは、だんだん遠くのものに頼るしかなくなってきている。さらに地域経済が疲弊していくと、私の購買ネットワークは、目の粗い細い糸で編まれた脆いものになるしかない。