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いけばな随想
diary

フィッティング 240125

2024/1/25

花材と花器を「合わせる」時、ボリュームを問題とする局面では、用意された花材でいけるならば花器を一定以下の大きさから合わせていくし、用意された花器にいけるならば一定以上の量の花材を合わせていくことになる。

さらに、色合いや形の問題、質感や重さの問題、いける場所や目的の問題などもあって、それらを総合的に勘案し、花と器を合わせていかなければならない。

このような取り合わせは、料理と器の関係や、自分と服装の関係、プレゼントの中身と包装の関係など、数え上げれば切りがない。

自分と社会の関係においては、自分を固定したまま社会を変えることはできない相談なので、ある程度は自分を社会に合わせていくほかない。ただ、その合わせ方に個性が出て、ナルシスト的な人の合わせ方と、より人目が気になる人の合わせ方とで大きな違いが表れる。

元に戻ろう。マッチングは、AとBが互いにそのままの形で出会うパターン。一方、フィッティングはAまたはBあるいはAおよびBが、相手に対してよりよい関係になろうと、自分自身を少し変える努力を伴う。いけばなは、こっちだ。

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