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いけばな随想
diary

モノ真似いけばな 240430

2024/5/7

 仕草を真似ると「ヒト真似」、作品を真似ると「モノ真似」だ。私の記憶には、草月の初代家元の作品が印象深い。モノの記憶である。そして、複数の作品群の記憶は、蒼風という初代家元の生き様に関係づけられた記憶でもある。だから、もし蒼風の作品を真似たら、モノ真似でもあり、ヒト真似でもあるということになる。
 記憶を完全に消し去ることはできないので、厳密に言うと、私のいけばなはどこかに誰かの作品の断片が含まれる。全くのゼロから生み出す作品はありえない。20数年もいけばなを習ってきたものを、すべて白紙にしてしまうことはできない。
 子が親を真似るように、まずは真似ることから始まる。人によっては、いつまでも真似続けることが嫌になって、早い時期に独り立ちする。人によっては、我慢強く(そういう人は、別に努力などすることなく、素直に継続するものではあるが)親や先生を真似し続ける。
 人は自分に厳しくすることが難しい。自分はカワイイものだ。だから、人を真似することは、自分にはないものを表現することであり、自己流で自分を甘やかさないことにもなる。

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