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いけばな随想
diary

不思議な働き 250404

2025/4/4

「不思議な力」と言ってしまうとオカルトっぽく感じられるかもしれないので、「不思議な働き」と言うことにする。
 松山春まつりの関連行事で、愛媛県華道会が協賛するいけばな展が始まった。草月から3人が出展し、何の打合せも情報交換もない状態で奇蹟が起こった。出品者3人のうち渡邊は、「ユリ」と「コデマリ」の白の花材で統一し、私は「椿」と「ダリア」と「アスター」の赤い花でまとめた。そして一色は「さくらひめ」を軸にピンクの花材で統一した。渡邊が白、玉井が赤、一色がピンクである。
 これを不思議だと言わずに何と言おうか! しかし、この3人それぞれの色を意識した制作が行われたことには必然的ともいえる背景がある。草月では花をいける心得として、「線・色・塊」の3要素を意識しなさいということが繰り返し教えられる。3人の心には、幸いにもこの教えがしっかりと根付いていたわけだ。
 会場全体を改めて眺めてみた。手前味噌であることを承知で言えば、この3人のそれぞれ1色にこだわった作品が、非常に効果的なアクセントになって会場を引き締めている。草月万歳だ。

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