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いけばな随想
diary

主題 231119

2023/11/19

 一昨日は、松山商業高校の生徒が総合文化祭にいけこみをした。予算の関係から日頃の稽古を最小限の花材で行っているからか、放っておくと花材を余らせる者が多かった。
 私自身は油彩画より水彩画が好みだし、白地を残す水墨画がしっくりくることもあって、体質的には「引き算」表現を好む。しかし、いけばなにおいても引き算は難しく、私くらいの修養では思い通りに完成することはまずない。下手をすれば、ただ貧相になってしまう。
 生徒たちは若いので、まだ枯れるときではないという思いもあり、引く前に足せるだけ足させてやりたい。足してから、ちょっと引かせる。何もない空間に1本1本いけていくのだから、引いてから足すことはできず、必ず足してから引く順になる。
 今回、改めて気付いた。足そうが引こうが、「あなたは何にこだわっているのか」、「何を言いたいのか」という主題をまず見つけてあげることが大事だ。意図がないままで足したり引いたりを繰り返していると、だんだん訳が分からなくなってしまう。制作中に主題が変わってもいい。主題を探す意志さえ持っていれば。

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