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いけばな随想
diary

京都七条 231212

2023/12/13

 草月の昇格試験の事前講習で、きのう京都の「草月WEST」に来た。前泊なので暇だから、小雨そぼ降る中を傘をさして足が痛くなるほど散歩した。
 ホテルエミオン京都を出ると、その通りは七条で、向かい側を西に向かってアーケードの商店街が続いていた。遠目に古道具屋かと思った店は、真向いまで行ってよく見ると、歩道にはみ出した煤けた小屋が舞台の大道具のようで、その奥の本来の店舗には卵が積んであるようだ。
 店名のわからない店先の小屋には、「かしわ」「だしまき」という2枚の看板が照らされている。「かしわ」の方は、木材を切り抜いた生成りの箱文字仕上げで、「だしまき」は黒い地に黄色文字だ。だしまき用の四角いフライパンが4つ5つ並んだ向こうに、お爺さんとお婆さんが少し離れて静かに座っている。その風景を写真に撮りたかったけれど、いや、それ以上に「かしわ」と「だしまき」を買ってみたかったけれど、翌日の受講こそが本来の目的だったことを無理やり自分に言い聞かせてその場を離れ、それから悶々と七条の通りを西へ西へと歩き続けたのだった。
 今度、また来る。

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