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いけばな随想
diary

人形 240326

2024/3/28

 かつて広島に、瀬戸内海汽船直営の星ビルという特殊な施設があって、ヨーロッパのアンティークドールやアンティークオルゴールを展示販売していた。その価格、数百万円から数千万円がずらりと勢ぞろいしていた。
 フランス人形たちの並ぶフロアに、四谷シモンの等身大くらいの人形が何体かあって、私はそれに釘付けになった。彼の人形は、ハンス・ベルメールの球体関節人形の影響を受けているという。その後、新宿か池袋で開催された四谷シモンの人形展に行き、ご本人からサインをもらっている。
 タイプは異なるが、球体関節人形の作家・清水真理さんとお会いする機会を得て、ご本人から舞奈という名の人形を購入した。人形は、人によって好みが分かれることは承知しているし、嫌いな人もいらっしゃるが、舞奈は、いけばな教室の天井に近い高みに座らせている。
 いけばなも、好みは分かれるものである。私は草月の家元の作品が基本的に好きだから、入門しても迷いがなかった。だからといって、すべての作品が好きなわけではない。好みの作品は増えるけれども、好みの範囲はあまり広くならない。

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