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いけばな随想
diary

仲間同士は仲良くする 250218

2025/2/20

 いけばなの世界は非常に狭い。意外なくらい狭い。その小さな小さな世界で流派や主義主張を越えて尊重し合うことなくしては、その世界がもっと分裂して小さくなってしまう。
 表現者は自己の価値観や独自性を大事にするからこそ、表現者として立っていられる。だから「全く華道というものがわかっていない、ギラギラ血走ったいけばなをして!」と他人の作品をけなし、また別のところでは「あんな辛気臭いいけばななんて現代の誰が喜ぶの?」と毒を吐くのもわからなくはない。昔のフランスの芸術家同士などは、決闘したり流血騒ぎを起こすくらいだったのだから。
 私にしても、基本的には自信家なので、他の華道家を人間として尊敬してもその作品のすべてをいいとは思わない。しかし、その作品を尊重することはできる。尊重は、好き嫌いとは別物だから。
 今年度、私は「愛媛県華道会」に初めて入会したけれど、「愛媛県いけばな芸術協会」には加入しなかった。この件にしても納得感は薄く、全宇宙的には絶滅の危機に瀕しているいけばななので、木を見て森を見ずという態度は取りたくないものだ。

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