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いけばな随想
diary

伝えることの難しさ 241013

2024/10/18

今日は「愛媛県支部 草月いけばな展2024」の最終日だった。私の作品は見る人に雄弁に語り得たであろうか。

さて、アナウンサーの喋り方の練習や俳優のセリフの説得力の訓練では、いわゆる棒読みが如何に人に伝わらないかを教わる。

大事なのは「間」の取り方だという教えが初級である。句読点を意識して区切りを明確にすることで、意味のまとまりをつくり出すことができるし、聞き手が内容を咀嚼する時間を与えることもできる。話題転換のきっかけをつくることもできる。中級の教えになると難易度は上がる。たとえば、本当に伝えたいセリフは、大声を張り上げるのではなく逆に囁くように喋れと言われたりする。その方が聴衆は聞き耳を立てて集中できるのであると。

いけばなも同じで、見せどころを盛り過ぎると観客が息継ぎできずに苦しむことになるし、大袈裟に装い過ぎると大声を張り上げる俳優に対するように耳を塞いでしまう。何事も準備の段階では前のめりになって抑制が利かないが、終わってからは冷静に自己評価できたりもする。徹頭徹尾コントロールするというのが、上級の教えだ。

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