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いけばな随想
diary

体の使い方 240510

2024/5/11

手習いができていない人が物を作ると、結果が期待できない。それは、料理を考えればすぐわかる。手慣れていない人が初めての料理を作ると、買い出しも、道具立ても、作業順も全部がぎくしゃくしてしまい、キッチンが散らかるばかりだ。勘のいい器用な人はこなせるかもしれないが、それは例外的だ。

手が自由に動かせるようになれば、目で観察することや頭を働かせることに労力を振り向けられる。いけばなをするにおいても、きっと何か鍛えるべきルーティンの動きがあると思う。板前さんが、まな板の前で魚を捌くときの腰の入れ方、包丁を持つ手の引き方を観察してみるといい。それを思うと、私はまだいけばなをするときの体の構えがなっていないようだ。

いけばなは、畳の間で正座してやるものだと思っている人が少なからずいる。松山商業高校の華道部はその通りだ。しかし、私のいけばな教室をはじめ、テーブルを前に立っていける姿勢の方が多くなっている。

体系化されたいけばなの型に対して、いけばなをする体の構え方、使い方はさほど問題にされていないので、少々意識してみたいと思う。

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