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いけばな随想
diary

作品の大きさ 240612

2024/6/14

床の間がない住宅が増えている一方で、造り付けのクローゼットが増えて各部屋がすっきりしたため、昔に比べて花を飾る場所には事欠かない。

おしゃれを感じさせてくれる家は、花やオブジェ、絵画などの装飾が小さくて、壁面や窓の広さを一段と引き立てて贅沢さを演出している。もちろん大きな絵を掛けている家があるが、その壁面はことさらに大きい。物が全くない空間は寒々しいが、控えめな装飾があると贅沢さを感じる。装飾を多くしたいなら、逆に徹底して過剰にすべきだ。

大きな皿の中央に手の込んだ料理が小さくちょこっと盛り付けられた料理が、単品3千円。これは高級ホテルなどで供される。一方、皿に盛り上がった米の山から飯粒がこぼれ落ちている大盛りチャーハンが、スープ付きで680円。町の中華食堂だ。

いけばな展に出す作品を構想し始めているが、なかなか考えがまとまらない。その理由は、誰に対してどうウケを狙うかという不純な動機が抜けないからだ。「いいね」をたくさんもらいたいという本心と、孤高であってもひねくれていたいというインテリ気質のせめぎあいである。

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