内と外 241122
2024/11/22
家庭の内と外、業界の内と外など、内と外の境界には明確なものも不明確なものもある。花の世界も複雑で、生産者と消費者の単純な関係で割り切れない。また、華道といけばなとの関係は内なる関係だと思うが、いけばなとフラワーデザインの関係は内と外のような気がする。
外面がいいとか内弁慶だという表現は、この内と外に即して態度を変える人に対して批判的に言われるのだが、いけばなのつくり方においては、それとは異なる意味合いで内と外とが意識される。
つまり、いけばなを知らないとか、いけばなにあまり興味がないという人を含む外の人たち(生活者)を想定するか、審査会などに向かうような専門家に挑戦する気持ちで制作するか、その動機によって作品の傾向にある程度影響が及ぼされると思うのだ。
もてなしのツールとして外向きに位置付けたとき、いけばなにはエンターテインメント性が求められる。究極は、紅白歌合戦のような百花繚乱のアミューズメントを展開することになる。「クラシック音楽の夕べ」という雰囲気ではなく、「テーマパークでの歌謡ショー」に近付くことになる。