前景と背景 250117
2025/1/18
今日、高畠華宵大正ロマン館のエントランスに、花をいけた。エントランスまでのアプローチが10メートル、途中にテーブル状の大きい庭石や砂利空間、屋外用テーブルなどがあって、どこにいけばなを置くか迷った。ちなみに、美術館や博物館では、生花をいけることによって、万一、収蔵物が虫や花粉の悪影響を被らないため、いけばなを屋内に入れないことになっている。
さて、最終的に屋根の出っ張りがあるエントランスを選んだのは、この美術館が山裾の寒い立地なので、直接的な冷気で花が傷めつけられないようにという思いである。しかし、エントランスには、美術館の掲示物や傘立てがあるし、広い透明ガラスの壁にいけばなの背面も映り込むし、美術館内部の景色も丸見えというデメリットも大きい。
また、アプローチから入ってくる客に対して、エントランスは45度の角度があるので、いけばなの正面をどちらに向けるかというのも問題だった。結局エントランスに対して正面を向けた。
いずれにしても、いけばなは単体で完結するものでなく、前景や背景との複合的な空間がいけばなである。