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いけばな随想
diary

前衛的いけばな 240113

2024/1/15

付和雷同とか、尻馬に乗るというのは、生きる態度として否定的な評価を受ける。しかし、日本のある時代のある社会においては、それが生き延びるためには望ましい態度だった。

私は、母方の祖父に会ったことがない。第二次世界大戦中、同僚教員からの密告で「アカ」と宣告され、牢に繋がれた挙句、洗脳教育を受けた。そうして心身を消耗し、若くして死んだ。

その血が流れているからか、私は子供の頃から「アンチ・ジャイアンツ」だった。しかし、気弱なために、それを他人に悟られないよう、表面的にはメジャー志向を演じてきたし、そのようになり切っている自分もいた。時に頑張ってリーダーシップを発揮することもあったけれど、居心地がいいのは世間に紛れ込んでおくことだった。

茶の世界も、花の世界も、もともと前衛的な性格を持っていたと理解している。時代時代で、その新しさが脚光を浴びて持て囃され、ファンを獲得してきたのではなかったか。

こういうことを思いながら、一方では、流派のテキストに対してきちんと継承しなければならないという思いを強く持っているのも嘘ではない。

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