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いけばな随想
diary

助演男優賞 250116

2025/1/17

 30歳代の半ばから40歳頃まで、私は冷蔵庫と洗濯機とテレビなしで暮らした。
 冷蔵庫がない暮らしぶりとして、ビールを飲まない。冷えていないビールほど不味いものはない。大吟醸酒のように冷酒で美味しい日本酒も飲まない。では、どうするかといえば、ウイスキーやジンなどアルコール度数の高い酒を飲む専門家になる。それで、今でもウイスキーが7割という飲酒生活である。残り3割は日本酒で、幸い冷蔵庫のある暮らしなので冷やした日本酒も満喫しているが、体に染みついた癖でビールには手を伸ばさない。
 最近つくづく思うのは、酒にも主役を張れる奴と、脇役に甘んじる奴がいるということ。酒だけ飲んで美味いものと、料理や菓子を引き立てるものと、それぞれに魅力があることだ。
 いけばなは、主演したらダメなのかもしれない。空間のしつらえの一部として、脇役の振る舞いが求められてきたのではないだろうか。絵画などは、タレントとして様々な場所に神出鬼没するのが役割でもあるが、いけばなは主演俳優を迎え入れるための、場の提供者の役割を果たさなければならないのだろうか。

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