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いけばな随想
diary

型を磨く 250315

2025/3/15

 武道のことはよく分からないけれど、空手には形の演舞がある。「型」かと思ったらそれは昔の表記で、今は「形」なのだという。剣道関係では、明治時代に剣術形がまとめられ、大正時代には剣道形が発表された。きっと戦国時代には剣道はなく、武器としての剣と実戦しかなかった。徳川の時代になって刀や鉄砲を使う実戦が禁じられてから、どんどん「型」や「形」を磨き上げる剣道に変わっていく。実戦を想定したとしても、人に対して実際に使ってはならない。
 おそらく同じような経緯で飲むだけのための茶が茶道になり、飾るだけのための花が華道になった。だから、花を飾るだけでは華道にならない。飾り方のスタイルやいける態度を吟味し続けなければならない。また剣道に試合があるのと同じように、自分が磨いてきた型を試す場として華道にもいけばな展がある。
 人にはそれぞれ癖があるから、癖も自分のオリジナルな型の1つとなって身に付く。いけばなは武道のように人を傷つけることがないし、茶道のように人の口に入るものでもない。だからいけばなに制限はないが、型を磨くことは大事だ。

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