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いけばな随想
diary

場の設定 241006

2024/10/16

花をいける。いけばなが仕上がる。お稽古では、具体的な「場(シチュエ-ション)」を設定していないことがほとんどで、家に帰ってからもう一度いけ直そうとするとき、リビングにいけようか、寝室にしようかと迷ったりする。

そして、そのいけばなの写真を撮ろうとするとき、明かりは重要だ。メインの枝もの(主枝の“真”)に光を当てるか、正面位置にくる“目線の従枝”を目立たせるか、それとも全体を均一な光で包み込むか、光の具合によって作品イメージは大いに変わる。

写真に撮るとき、明かりの次に考えられるのは画角だろう。いけばなの背景をどこまで入れるのかという、写す範囲の問題だ。広く撮った方が、いけばなを含む空間の性質がよく分かる。パーティ会場などの場合は、周辺の人の表情なども写り込んでいる方が臨場感が増す。一方で、作品に近寄って一部分だけクローズアップすることも可能だ。作品そのものに肉薄できる。

ほかにも、一点にピントを合わせて背景や周辺をぼかすなどの方法の他、いけばなの場を作り込むには無限のアレンジが可能で、迷うけれども楽しい作業だ。

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