大義 241208
2024/12/8
同じジャンルで動いている者同士は、互いの細かい動きや専門的な考え方まで、全部くっきり見えてしまう。だから、近い者同士は分かり合える部分も大きいけれど、ちょっと違うと感じる部分もたくさんある。い
けばなでも、流派が違えば使うハサミや剣山の形も違うくらいだから、いけ方も全く違うくらい差がある。しかし、一般的には、どれも似たようにしか見えない。
異なるジャンルに属する者同士は、互いに遠過ぎて細かい所はぼやけて見える。何を見たらいいかわからなくて焦点が合わないから、遠い者同士は細かい衝突が起こる心配がなく、大雑把に俯瞰して大義で共感し合える。視力の弱い者は、なお幸いである。嫌なことでもぼんやり流せるというか、利害にこだわらず「ま、いいか」で全部済ませられる。
ビジネス界の同業組合は、共通の利益追求を表立って行う。いけばなの無数の流派は、それぞれが牽制し合いながら表では大人の付き合いをしつつ、大人になり過ぎているというのか、特に地方では互いに「さわらぬ神に祟りなし」で、冷めた気分で足も引っ張らないが助け合うこともしない。