大量生産に向かない 250214
2025/2/14
セント・バレンタインデーにあやかった業界主導のチョコレートデーは、商業上の大成功である。商業化されることと大量流通とは、ほぼ同義的になった。そしてあらゆるジャンルの大量生産が高度成長期の姿だった。
ところが、大量生産・大量消費に疑問を持つ人も現れ、それに反応した業者は何でもかんでも「手づくり」をアピールする戦術を取った。手づくりに定義はないので、工場での大量生産の煎餅にも「手づくり」と標記され、消費者もそれで納得していた始末。結局、高度成長期に合わせて成長した世代は、大衆として大量生産社会に馴染んでいたのだった。
ところが最近の若者は、ファッション表現においても自由度が高い。マスメディア離れをしているせいか、好みが非常に個人的だったり小グループ的だったりするようだ。
そんな彼らが関心を持ってくれれば嬉しいのだが、いけばなは大量生産に適さないジャンルの代表格だ。2つとして同じものはない、2度と同じことを繰り返せない、仮に技術があったとしても、2度と同じ花が手に入らない。これは料理も同じで、レシピ通りになりはしない。