孤島の世界? 241004
2024/10/4
哲学は、人間や社会の全てに関わるものだから、昔から欧米の大学では基礎的な学部や学科としての地位を得ていた。その影響を受けて日本の大学にも設けられたが、私の知る限りでは、文学部哲学科という括りがほとんどだったと思う。そして、文学部は実学の反対側に位置付けられ、哲学科は最果ての地にあるようにも感じられた。
私は政治学科に在籍して、ズブズブに世間ズレしていた。本来は政治にこそ哲学が必要なのだが、有権者である国民が経済を優先するものだから、政治家も近視眼的にそれに応えて哲学を無視する。
こうして、哲学は、他のジャンルから切り離されて、絶滅危惧種のように心配される対象になってしまった。いけばなも、哲学同様に仕事や生活の場から切り離され、まるで絶海の孤島での活動だ。
ハレの花もケの花もある。展覧会の花は素晴らしいし、日常の小さくさりげないいけばなも素晴らしい。食事のスタイルと同様、いけばなのスタイルも様々あるということを大事にしたい。入学式の花もあればトイレの花もある。いけばなが、世の中のあらゆる局面に顔を出しますように。