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いけばな随想
diary

守備範囲 240412

2024/4/18

 いけばなには流派がたくさんあるけれど、意識的に選択して入門した人と、いけばなを始めたら結果的に草月流だったというように、無意識的に特定流派に所属した人もいる。私は、始めたいけばながたまたま草月流だったというグループに属す。
 流派によって作風が違っているのは感じられても、並んだ作品を見比べて流派を当てるのは、利き酒よりも難しいのではないかと思わされる。草月流の方の作品かどうかも、たぶん当てられない。おそらく、草月流の守備範囲(創作が家元に許される範囲?)が、広いことに要因がある。
 もちろん、習い事である以上、草月にも「型」があって、それを大切に練習する。しかし、その先には、「場にふさわしい花をいけること」や「自分(の個性)が出てしまうものと覚悟していけること」が求められているので、その結果、表現の守備範囲が広くなるのだと思う。
 水彩画しか描かないという画家がいる一方、絵も描けば詩も書くという作家もいる。描きかた(方法)にこだわる人と、描くもの(表現内容)にこだわる人との違いが、制作の守備範囲に影響するのだと思う。

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