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いけばな随想
diary

小で大を表す 240427

2024/5/7

 俳句の魅力の1つは、最少の言葉でどこまでも大きな世界を描けることだ。それは、1語1語の持つ力を高めることによって実現できる。また、語と語の組み合わせや順序から、思い掛けない世界を広げられもする。私が最終的に目指したいのは、いけばなでその域に達すること。
 最近、腱鞘炎が慢性化してきた。左手の親指が痛くなり始めたのが3年前の夏だ。今では左手の肘まで痛い。右手の手首の外側も痛くなってきた。海に囲まれた四国に暮らしているのだから、流木を使った作品をつくりたい気持ちがあったし、それを諦めたわけではないけれど、何しろ流木は重い。できれば、軽くて小さい花材でやりくりしたいものである。そこで、俳句のようないけばなという文脈が生まれたのだった。
 草月の二代目家元・勅使河原霞が、ミニアチュールという小世界のいけばなジャンルを1つの形にした。それは、複数の小作を組み合わせて、ひとまとまりの作品に仕上げるもので、小作の1つ1つが俳句の5・7・5に相当するともいえる。
 私が夢見るのは、花と葉や枝の5・7・5で1つの小作を構成することだ。

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