左から右から 250417
2025/4/19
松山商業高校日本文化部(うち華道部)の活動が始まった。私は1年生の新入部員4人に自己紹介をしながら、彼女たちに何を話すべきかを頭の裏側でつらつら考えていた。
私の話はだいたい冗長でとりとめがなくなるから、何かパワーワードを1つに絞って端的に話したいと思った。しかしうまくいかなかった。「いけばなは空間表現だから、正面からだけでなく前後左右上下から見られることを意識して……」ああ、また長く難しくなってしまった。まだしも2年生や3年生の目の前の作品を題材に取り上げながら話しをしたので、少しはわかってくれたと信じたい。
さて、草月のテキストは非常によくできている。作例の写真が正面だけでなく側面からも撮られていることは特筆すべきだ。また、正面図と俯瞰図も描いてくれている。至れり尽くせりと言うべきだろう。空間を把握するためには、頭の中に360度の視点をもたなくてはならない。それを“私”になり替わって見せてくれているのである。
いずれにせよ、いけばなを写真で撮っても本当の良さは伝わらない。平面的でなく深さを持った見方が必要だ。