汀州Japanlogo 汀州Japanlogo

いけばな随想
diary

心で願う 241020

2024/10/21

目を見開いていても見えないものがあることを知る人は、少ないかもしれない。どんなに視力が良くても見えないものは見えないし、どんなに視力が悪くても見えている人には見えているものがある。

もう少し深みを覗くと、こっちが見ているとき、あっちから見られている可能性はとても高い。『裏窓』というアルフレッド・ヒッチコック監督の映画を観たとき他人の視線に対する恐怖を実感したが、こっちが見よう見ようとしている場合ほど、あっちからも見よう見ようとされていることを知るべきである。

そういう局面では、全くのところ視力の問題ではなく、「見たい」意識のえげつない強さが勝っているかどうかということで、普通なら見えないものが見えてしまうという欲望の強さの問題なのである。これは裏返すと、「見せたい」という欲求が強ければ強いほど、普通なら見えないものまで見せてしまうということで、見えるか見えないかは、互いに心を開いて見せようとしているか、見たいと思っているかにかかっている。

小手先ではなくそういう気持ちの強さが、当然のこととしていけばなにも表れる。

講師紹介