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いけばな随想
diary

思いのままに 250331

2025/4/2

 今年度の終わりに当たって、いけばなとの付き合いに終始した1年を振り返る。終始したと偉そうに言い切れるほどの熱中度合いでなかったのは、いけばなを生業として自覚していなかったせいで、副業感覚的に過ごしてしまったからである。副業といっても、本業がないのだから副業もあるはずがないのだけれど。
 仮にいけばなを生業にしたらどうなる? そうなると、別の趣味を持たないと、趣味のない人になってしまうではないか! いまのところ、その選択肢はない。
 もう一つ煮え切らなかったのは、個人の作家的活動と愛媛県支部長としての社会的活動とを併行させる中で、一般の人々のニーズと内部のメンバーのニーズを探り過ぎたことにある。ニーズの縦横の網目に囚われてしまった私は自分の主体性を見失い、種々多様で茫漠としたニーズの砂漠から抜け出せなくなっていた。
 この態度は、私の幼少期から備わった気質であるような気がする。もっと思いのままに動けばいいではないかと、傍若無人なもう一人の私が囁きかけてくる。まもなく始まる来年度は、徐々に血を入れ替えて少しわがままに臨みたい。

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