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いけばな随想
diary

恩返し 250228

2025/3/1

 共に誕生日が2月だったので、父母を思い出すことも多かった。恩を受けた当人は有難さをあまり感じていないことが多い、というのは私自身のことで他の人はどうだか知らない。
 思い返すと、同居していた父方の祖父は蜜柑の木を育てる指導員をしていた関係か庭木の多くは果樹だった。ザクロ、イチジク、カキ、ブドウ、シャシャブ、サンザシ、イヨカン、ナツカン、ハッサク、ウンシュウミカン等々。他にモクレン、ツゲ、マキ、サルスベリ、ナンテン、ツバキ、センリョウ、マンリョウ、キンモクセイ、ムクゲなどがあって、他はマツの盆栽やランの類の鉢が並んでいた。
 その頃の風景を今でも覚えているということとその木々の世話をいま私がしているというのは、血は争えないということなのだろう。その後私が植えたり挿し木したものはノバラ、モモ、シマトネリコ、クロガネモチ、クチナシ、アジサイ、アメリカハゼ、マンサクだ。しかし去年ツゲが枯れ、今年は白い花のツバキの1本が危うい感じだ。
 1年草の花に比べて育つのに時間がかかるぶん、枝ものには情が湧く。親の供養として見守っている。

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