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いけばな随想
diary

感謝 240702

2024/7/2

人への感謝は、ただ単に何かをもらったことに対するようなものではない。「お年玉ありがとう!」の向こう側には、幼児らしい感謝の気持ちがあるとしても、祖母や伯父の心情や期待などの心の奥までは見通せていない。大人になったいま(老人にして初めて大人になりつつある気分だが)、人の気持ちをもっと汲めるようにならなくては! と思う。

草月では「花に感謝の日」を毎年3月に設けていて、行事を執り行ってきた。私は昨日はじめて花への感謝を意識したばかりなので、年度末のその記念日をこれからは大事にしていかなくてはならない。

花も生きものだから、花に対する感謝の気持ちも持ちやすくはある。しかし、次なるは、花器や水など花以外の材料に対する感謝の気持ちの番だ。草月の世界では、花と水と花器を等価だと見ることになっている。心では花にいちばん高い価値を与えたいとしても、頭ではどれもがいけばなの材料である。飲み水の貴重さは身に沁みていても、いけばなの水についても意識的であれ、そう諭されるのだ。

で、改めて見つめるのが、道具の筆頭ハサミである。感謝してる?

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