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いけばな随想
diary

慣例・慣習 231124

2023/11/25

 ほとんどの業界に、仕事の進め方の慣例や慣習がある。
 私が広告・デザイン会社に勤めたとき、出版する月刊タウン誌の編集工程は固定化していて、1日たりとも誤差が生じないよう統制されていた。ライバル社の月刊誌もほぼ同様だし、全国各地のタウン誌も同様だった。業界の「共通言語」も普及していたので、仮に同業他社に移籍しても、誰もがその日から戦力として働ける状況にあった。
 しかし、「右へならえ」式の護送船団的な業界はたいてい衰退していくので、必ずしも業界に「共通言語」があることはメリットだと言い切れない。
 いけばなも、慣例、慣習が根強いジャンルだ。私は、流派ごとの違いは枝葉末節、些細なもので、華道界全体の慣例・慣習が根強いと睨んでいる。假屋崎省吾氏には失礼の段をお許し頂くとして、「跳ねっ返り者」が大勢いるほど、その業界なりグループの新陳代謝は健全に進むのではないだろうか。
 私はいま、インスタレーションを試みたり、絵を描いてみたりしながら、いけばなの土俵がどこまで広がるか試している。方法が違えば結果も違う面白さに、首ったけだ。

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