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いけばな随想
diary

手習い 231012

2023/10/11

 私は頭でっかちです。何を見てもただ感動するということはできず、感動の原因を理詰めで明らかにしたいのです。
 子供のころ、鉄棒で逆上がりの練習をするのに、私は絵を見て納得してしまうまで体を動かせませんでした。後ろ宙返りもそうでした。体で覚えるべきことを、まずは頭でシミュレーションしてからでないと先に進めない少年だったのです。
 いけばなを始めた頃も、やはり頭で花をいけていました。いけ終わった後でも講釈ばかり垂れている自分が嫌でした。理屈っぽく花をいけたときは、その作品も説明的でつまらないものになってしまうようです。
 いけばなとは足掛け23年の付き合いになります。近頃は手の方を頭に先行して動かせるときもあって、自分を褒めてやります。何とか花鋏を扱うことができる体になってきました。矯めやすい(曲げやすい)枝や、折れやすい茎なども、手の感触で分かり始めました。知識や理屈でなく、体で覚えた経験で花材それぞれに対する手加減もできるようになり、表現するバリエーションも増えました。左手が軽く腱鞘炎でちょっと痛いですけれど。

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