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いけばな随想
diary

手間こそが、すべて 240107

2024/1/7

 デジタル技術の活用によって、人の暮らしは加速度的に効率化に向かっているように思う。たしかに、不便を克服して便利をつくり出すことで、暮らしは進歩してきた。人は、文明化の名の下に、技術革新と情報化を繰り返してきた。
 そしてついに、小説も書けば絵も描く生成AIが、私たちの手間をもっと省いてくれようとしている。省かれて余った時間を、人は何に振り替えて使おうというのか。より創造的な物事に使えばいいと考えるかもしれないが、そもそも人は、昔から、自分なりに情報を求め、取捨選択して、創造のための材料にしてきたはずで、その情報の集め方や使い方を含めて個性であり、創造活動の全体だったと思う。
 アナログ時代の情報収集にはとても大きな偏りがあって、偏れば偏るほど、他との差別化が容易になった。逆に、情報収集を外部依存し、制作活動を外部依存すると、個性に基づく創造活動が広がるどころか失われてしまうのではないか。得られる情報の質と量に差がなくなれば、差別化は困難になると思う。
 ここにきて、「手間こそが、(生きていることの)すべて」と感じ始めた。

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