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いけばな随想
diary

押し付け 250415

2025/4/17

 親切にされることは嬉しいが、親切の押し売りは有難さを迷惑さが上回って嬉しくない。正しさの押し売りも厄介で、下手をすれば戦争になる。正しさなどというものは相対的で、かつ宗教性を帯びたり歴史的な国民感情に根差していたりするからだ。
 戦争に勝つと、文化の押し付けが始まる。実際の戦争だけではなく、経済的優位性を勝ち取ると行われる。19世紀から欧米各国による植民地政策が流行り、遠い地域の資源や労力を収奪しておいてお返しに自国文化や言語や貨幣を強制するというやり口で、先進国と呼ばれる国々ほとんどが反省しなければならない。
 日本も明治維新以降、急激に欧米化が進み、固有の文化が翳って何でもかんでもグローバルスタンダードを押し付けられてきた。自らそれを選び取ってきたと言うかもしれないが、日米安保の傘の下で仕方なく継続している。
 いけばなの源流は中国にあるかもしれないし、仏様や先祖に花を献納するインドやスリランカ、タイや香港なども無関係ではなさそうだ。一概には決めつけられないけれど、いけばなや華道は押し付けたくなる日本独自の文化だ。

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