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いけばな随想
diary

描かれた花 240320

2024/3/22

 絵描きが静物画のモチーフとして、よく花を描いている。ルドンのそれや、ゴッホのそれなど、著名な画家のものだけでも数え上げればキリがない。特に洋画において、描かれた花の多くが、(失礼な言い方をお許しいただいて)花瓶にバサッと無造作に入れている、または花束の包みを外しただけでぶっ込んだようなものが多い。
 で、それをわざわざ描くのはどうしたわけだ? と思うのである。花が描かれていること自体を格別気にも留めなかったのに、いけばなを始めてから、突然に気になり始めた。あんな壺花をなぜ描くのだろう。
 いけばなをする者は、お稽古の時に、いけた自分の作品をスケッチする。絵として完成させる意図は全くない。描く修行が目的ではなく、いけかたをつぶさに省みるためである。仮にも、いけた本人が、絵として完成させることを目的にして、自分のいけばなをモチーフとして描くだろうか。
 それでは、というので、今後改めて日本画に目を向けてみようと思う。果たして、いけばなが、日本画にどれくらい描き込まれているだろうか。素敵ないけばなが、描かれているだろうか。

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