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いけばな随想
diary

断捨離 250322

2025/3/25

 日本人の「もったいない」感覚は、賛否はあるにしても広く共有されてきた。しかし、その癖と感覚は、近年では「断捨離」にその座を追い落とされた感がある。
 今日は華展のいけこみだった。デルフィニウムの青い花をぎゅっとボリュームを出して使いたかったので、1本の長い茎の枝分かれ部分を一旦切り離してから長さを揃えて束ね直す。切り離した茎の部分によっては、白っぽいままのつぼみばかりで青い花が付いていない。その部分は作品に使わないので捨てる。言い訳すると、それらの茎はまだ十分に生長していないから、短過ぎて使えない。家だったなら小さな1本も大事にするんだけどなあと気持ちを慰めて、古新聞にくるんで捨てる。
 さて、料理が上手な人は食材を余すところなく使う。しかも、全部おいしく仕上げてしまう。何も捨てずに価値あるものにしてしまうのが面目躍如たるプロの技だ。
 押入れ一杯に溜め込んだ新聞折り込みチラシというのは昔よく見た風景で、それを折って屑入れを作り、こたつの上に置いて蜜柑の皮入れに使ったりしていた。風景としては微笑ましいが、ダサかった。

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