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いけばな随想
diary

時間といけばな 240222

2024/3/1

昨日、義父の告別式だった。そして、今日は亡母の誕生日だったことを思い出す。

私と義父との関係は18年、実母との関係は51年だったが、人と人との関係は、親子の場合、長いときは60年、70年にもなる。

さて、作家とか画家が自分の作品をつくるとき、着想から完成までにどれくらい時間をかけるのだろうか? 遅速があるから一概には言えないにしても、一般的には、華道家がかける制作時間より長いと思われる。

いけばなは、少なくとも私の場合は、構想や思索よりもインスピレーションで制作することが多い。時代や社会に対する焦燥感や問題意識などが動機になっていないから、「思い付きばったり」なのだ。「構想、ん十年」はありえない。

短時間で準備して短時間で完成させられるので、たくさんいけようと思えば、作品をどんどん完成させられる。そうすると、駄作が多くもなる。かけた時間の長さと作品の出来映えは正比例しないが、かけた時間の長さと思い入れは、かなり正比例する。そして、悲しいことに、どんなに時間をかけて準備したいけばなも、花が枯れたら後には何も残らない。

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