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いけばな随想
diary

本格的の「的」 231203

2023/12/4

「個人的な意見です」とか、「基本的な考え方は」とか、「〇〇的」という表現を私もよく使う。私としては「私的(してき)」はOKで「私的(わたしてき)」はNGである。仮にOKであっても、「〇〇的」はあまり使いたくない。
 私は、退職してから、本格的にいけばなに取り組んでいる。「本格」かどうか自信がないから、「本格」と言い切らずに「本格的」とぼかしている。
 誰もが、自分のやっていることが「本格」かどうか自信がないから、用語的に「本格」と言い切る表現が失われて、「本格的」という表現に落ち着いたのだろうか。そんなことを無駄に考えていて、ひょっとしたら私は「華道」をやっているのではなく、「華道的いけばな」をやっているのかしらん? と得心した。
 このように、「てき」と読むとき「的」は曖昧さの手先かもしれないが、「まと」と読むとき「的」は明快さの王になる。「的(まと)」は遠くて小さいので、弓道でもしっかり狙わないと当たらない。
「てき」には矛盾が含まれうるので、妥協のない明快な「まと」を撃ち抜くべく、本格華道に是非とも近付きたい。

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