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いけばな随想
diary

枯物をいける 240518

2024/5/18

いけばな展でも、私は枯物花材を多用してきた。消極的な気持ちと、積極的な気持ちの両方があった。消極的な方は、いけばな展の会期中にあまり手入れをしなくて済むこと。積極的な方は、大きい作品をつくるとき、構造を支えるために一定の強さや硬さが必要なことである。

しかし、過去の自分の作品を思い出して、反省することしきりである。枯物は当然のことながら色の彩度が低い。派手やかでなく、静かにくすんだ色味である。絵画でいうモノトーンの画面に近い印象になる。絵画を思い起こせば分かりやすいのは、モノトーンで描くときは、陰影のコントラストを強くせざるを得ない。ところが、いけばなで陰影を出そうと思ってもうまくいかない。枯物花材は明度差も小さいのである。くっきり見せるためには、ボリュームで圧倒するか、着色花材を有効に使わなくてはならない。また、ハイライトもブラックポイントも、スマホの画像処理のようにはつくり出せない。理屈はわかってきた。

そんなわけで、枯物花材を積極的に使うのであれば、色彩以上に光と影(明暗)を意識して操らなければならない。

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