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いけばな随想
diary

椿 240324

2024/3/26

 東温市、今治市と西条市の境界に、東三方ヶ森がある。その山を登る中腹に、シャクナゲが群生した素敵な林がある。
「シャクナゲ=素敵」という感覚を持つ理由は、私が小中学生の頃、父がよく登山に連れ出してくれたことに起因する。バスで登山口の近くまで行き、高縄山や福見山などに登っていた。そのときシャクナゲに出会うと、「これがシャクナゲだ」と、他の木のことは何も言わないのに、父はシャクナゲにだけこだわっていたように思う。
 母は母で、俳画をよくしていたのだが、ワレモコウがとても好きだった。母にとって、ワレモコウと自分の母(私の祖母)とが、なぜか緊密な関係にあったようでもある。
 私は、椿が気になる。好きというほどではない。いけばな教室の庭にも、赤と白1本ずつ椿がある。松山市のシンボルの木が椿であり、草月の初代家元が心を寄せたのも椿だったと聞くからだ。また、かつて東三方ヶ森に一緒に登った友人が、自分が植林した椿の間伐材で椅子を作っていた。彼は、“波動法”処理水を散布して、その椿の林を育てていた。
 花木と人との間のエピソードは尽きない。

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